「せんたく かあちゃん」
さとう わきこ さく・え
保育士をしていた頃、梅雨の晴れ間の蒸し暑い日に「洗濯遊び」なるものを、よく楽しみました。
今の時代、洗濯から乾燥まで洗濯機がしてくれるのに、洗濯遊びをすると、子ども達はどこで見たのか、両手を使ってゴシゴシと上手に洗ってくれるんですよね。
世の中がどんどん便利になって、手を使う様々な作業が減ってしまっても、洗濯をするシャボンの香り、お皿を洗うカチャカチャという音、トントンと食材を包丁で切る音と、だんだんご飯が出来上がってくる美味しいにおい等、子どもが五感を働かせて成長していく生活は、無くなってほしくないなぁと思ってしまう私です。
でもまあ、世の中、本当に便利なものがたくさんあって、感動もするんですけどね…
せんたくかあちゃんは、半端なく洗濯が大好き。毎日、うちじゅうの洗濯物を洗濯板でゴシゴシ洗っています。洗濯物だけではなく、うちじゅうの物を洗ってしまうので、かあちゃんが洗濯を始めるとみんな逃げていくのですが、結局、かあちゃんの迫力に負けてつかまり、洗われてしまいます。
すごい量の洗濯物を、かあちゃんは庭の木や向かいの森にせんたく紐をはって、干すのですが、そのページが圧巻😝です。
見開き2ページにドドーンと、洗濯物の絵が描かれていて「えっ、時計も?」
「えっ、ウインナーも洗っちゃったのー!」
と、ありとあらゆる物が洗って干されているので、このページを見るのはとても楽しいです。
その後、干されているおへそを狙ってかみなりさまが、空から降りてくるのですが、かみなりさまもかあちゃんに捕まって…どうなっちゃうかな。
とにかく、楽しく痛快で、文句なく面白いので、是非手に取って読み聞かせてほしい絵本です。
そして、暑い夏に、水遊びしながら、洗濯など手洗いしてみたらいかがでしょうか。子ども達は大喜びで洗濯物や泡遊びを楽しんでくれるはずです。