「クリスマスの三つのおくりもの」
福音館書店
林明子 さく
かすみちゃん、もっくん、れいちゃんの3きょうだいに訪れた、クリスマスの不思議な出来事を描いたお話が3冊セットで、箱に入っている可愛い絵本。
手のひらサイズの小さな絵本は、持っているだけで嬉しくなるような素敵な箱に入っています。
作者は、以前にも「はじめてのおつかい」や「おふろだいすき」で紹介させて頂いた、私も大好きな絵本作家 林明子 さんです。
お話は…
まず「ふたつのいちご🍓」
クリスマスにおかあさんがケーキを作ったのですが、いちごが三つしかのっていません。おかあさんは、もうどのお店にもいちごが売っていなかったけど、子どもたち3人分はあるからいいでしょう、と伝えます。
でも、きっと、お父さんとお母さんもいちごを食べたいと思っているでしょと、かすみちゃんは、いちごを探しに出かけます。少し前の季節にいちごがなってたとこを思い出し、張り切ってそこへ行ってみるのです。
でも、そこには枯れたはっぱがあるだけでした。あきらめきれないかすみちゃんは
森の方へ足を延ばしあちこち探していると、うさぎの子どもを見かけます。
そして…というお話。
思いやりと優しさがいっぱい詰まったストーリーがクリスマスにピッタリです。
1ページ目を開くと、題字の下にもう少し暖かな季節にかすみちゃんがいちごに手を添えている絵が載っています。あ、かすみちゃんが探しに行った いちごは、このいちごだったんだね、前に見かけたいちごの様子が描かれているところも、描写が丁寧で楽しめます。
2冊目は「サンタクロースとれいちゃん」
ベッドでサンタクロース🎅をまっていた れいちゃんは、なかなかやってこないサンタクロースにしびれをきらして、起き上がり、サンタクロースを探しに行きます。どんどん歩いて森の入口まで行くと、なんと向こうの方からサンタさんが歩いてくるではありませんか。
れいちゃんはプレゼントの事を聞きたくて「サンタさん サンタさん」と、話しかけますが、急いでいるサンタさんはれいちゃんに気がついてくれません。おまけに、袋に穴が開いていて、プレゼントがポロポロ落としてしまっています。
さあ、どうなっちゃうのかな…
世界中の子ども達が会いたいと願っているサンタクロース。そんなサンタクロースに出逢えた、小さな女の子の心温まるストーリーです。
そして3冊目は「ズボンのクリスマス」
きょうだいで唯一の男の子、もっくんのお話です。
絵本を開けると、サンタさんから赤い消防自動車をもらい、喜んでいるもっくんの様子からお話が始まります。
この車も「サンタクロースとれいちゃん」のお話で、ちゃんともっくんの靴下に入ってて、お話のつながりを感じることができます。
大喜びのもっくんはこの赤い車に夢中で、もうすぐ家族で出かけるというのに、ちっともズボンをはきません。
今日はクリスマスで、今から家族でおじいちゃんとおばあちゃんの家にパーティーに出かける予定があり、みんな支度をしているので、なかなかはいてくれないもっくんにズボンもやきもきして、もっくんの背中をつつきますが、知らん顔をされたので、待ちきれなくなって外へ飛び出していきます。
びっくりしたもっくんは、慌ててズボンを追いかけて…というお話。
最後に到着したおじいちゃんとおばあちゃんの家で無条件に褒められ、嬉しそうに笑うもっくんの表情に幸せを感じるラストです。
何度も読んだクリスマスの素敵な絵本。最後の最後のページには「クリスマスのおおさわぎ」という面白い歌も載っています。
登場する子ども達の愛らしさと優しさに、心温まるこの絵本を一緒に読んで楽しんでいただきたいなと思います。
また、クリスマスも近くなってきたこの時期に、世界中の子ども達の幸せを、もう一度神様に祈りたいと思います。
戦争や紛争、また、災害などで命を落とした方々に、どうか安らかにと、また、来年こそは、平和な世界になりますようにと、願っています。
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