絵本「まめうしのあついなつ」

めうしのあついなつ」

PHP研究所
あきやま ただし 作・絵

まめうしのあついなつ | あきやま ただし | 絵本ナビ:レビュー・通販

今年も毎日暑い日が続いています。私が子どもだった昭和40年代と比べると、平均気温も2~3度
高くなっているでしょうか…いや もっとかな…
ここ数年の夏の暑さは、健康を害する程で、子どもにも気を使いますね。
でも、虫捕りや水遊び、プール、泥んこ遊び等、夏ならではの遊びを楽しんでほしいものです。

今回 取り上げた「まめうしのあついなつ」という絵本は、私の大大大大好きな「まめうしくん」シリーズの絵本で、まめうしくらいの小さな こうし のまめうしが繰り広げる 楽しい日常と、小さな事件を描いています。
四季を感じられるお話が数々、出版されていますが、これは、夏のお話。 
カブトムシ みたいな ぶた の 「かぶたむし」と、
クワガタムシ みたいな うし の「くわがたうし」
困っている虫や友達を助けながら、二人で思いきり楽しんで過ごす暑い夏の一日が描かれています。

入道雲がもくもくしている夏の暑い日にお散歩してる、まめうしくんは、もう暑くて暑くてパタッと倒れてしまいます。そこへ、かぶたむしが現れ、まめうしくんに水を ばっしゃーん! とかけてくれて、まめうしくんは元気になり、がぜん、助けてくれた かぶたむし に興味を持ちます。
その後も、かぶたむし なるヒーローは、困っている あり や、いもむし や、小さな可愛いお友達の ありすちゃんたちを助けていくのですが、その途中、一人ではなかなか上手くいかない時に、
もう一人のヒーロー、くわがたうし が参上します。

二人で困っている友達を助ける途中、危ない目にも合いながら、協力したり知恵を出し合ったりしながら解決していく様子が、あきやまただしさんの絵も相まって、「プッ」と笑えるシーンばかりですが、ヒーローになりきって真剣に目の前の出来事に向き合い、思いっきり夏の暑い一日を楽しんで過ごし、夕方、お母さんの元に帰ると、すぐに「ぐ~ぐ~ す~す~」眠り、次の日の朝、また、昨日の続きをして遊ぼうとする二人を見ていると「子どもってこうじゃなくっちゃ」って思います。

何とも言えない面白い まめうしくん の世界。いつも、クスッと笑える中に、ちょっとじ~んとしたり、様々な愛情を感じたりして、いい気持ちにしてくれる絵本です。

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絵本「おふろだいすき」

「おふろだいすき」

福音館書店
松岡享子・作
林 明子・絵

おふろだいすき | 子育て絵本アドバイス

この絵本を読むと、子ども達の世界はなんて想像力に溢れているんだろうと、自分の子どもの頃に思いを馳せてみたくなります。
お風呂も、ご飯も 一日の生活全て子どもにとっては、遊びや空想や楽しみの世界であるということを思い出させてくれるのです。
大人はいつの時代も忙しく、日々を回すのに精一杯。子どもは 叱られたり、せかされたりする中で、空想の世界に浸りながら一日のルーティーンを楽しむ生き物なんだなぁと、改めて思います。

まこちゃんはおふろが大好き。いつもあひるのプッカをつれていきます。お風呂の蓋を開けてゆげがいっぱいになったところから、まこちゃんの空想の世界のはじまりです。

かめ、ペンギン、オットセイ、かば、くじら たちとの楽しい時間が始まるのです。黄色主体の絵の中に、虹色のシャボンや湯気や、いかにもあたたかそうな たっぷりのお湯が描かれ、くじらが登場する時にはお風呂は、プールみたいに大きくなっています。

動物達とまこちゃんとのやりとりや、ペンギンのわんぱくぶりや、物言わぬオットセイがシャボン玉で楽しませてくれたり、かばの体を洗ってあげたり、泡だらけのみんなを、「よっしゃー!」て感じで くじらがシャワーをかけてくれたりと、それぞれの動物達が、いかにも と、特徴的で楽しさが伝わります。
私も子どもの頃に、この絵本を読みたかったなぁと、思ったものです。

50まで数えて出るところは、我が家と一緒だなぁ、とか、この絵本が大好きだった子ども達と、お風呂に入って出た時に「きゅっ、きゅっ、きゅ、しっかりふいて、ぽん、ぽん、ぽん」と、よく真似をして体を拭いていたなぁとか、思い出します。

しなくてはならない事を、ルーティーンのように回す中で、今、この時を楽しんでいる子どもって、最強ですね。大人の10分は、体内時計で子どもは何倍に膨らんでいるのでしょう。誰にも邪魔されない子どもの空想の世界は、子どもだけのものです。



少し長めのお話なので、学校等の読み聞かせではちょっと勇気がいりそうです。でも、それぞれの動物たちの特徴を捉えたセリフを楽しみながら、読んでいくと楽しんで読めそうですし、やっぱり、最後はお母さんが登場して、安心して終われそうなところも、幼い子ども達の楽しめそうなポイントです。

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絵本「トマトさん」

「トマトさん」

福音館書店
田中 清代(たなかきよ)・さく 

トマトさん | 田中 清代 | 数ページ読める | 絵本ナビ:レビュー<a href=

 

表紙に入りきらない迫力のある、マダムのような真っ赤なトマトの絵。この印象的な表紙で、なんとなくこの絵本を避けてしまう人は結構いるのかなと思います。現に私も、その一人でした。
でも、夏の暑い日に、読み聞かせする絵本を探していると「あーら、今日の読み聞かせは、わたしでいかが~~」ていう声が、聞こえてきた気がして手に取って読んでみたら、もうほんっとーに!素晴らしい絵本でした。

ジリジリと暑い真夏のある日の昼下がり、トマトさんはきから落ちます。その時の 「どった、」 という文面の表現で、このトマトさんが大きくて立派でよく熟れたトマトだという事がわかります。

トマトさんは地面に落ちてから、ますます暑くなり、暑くて暑くてたまらなくなります。そんな時、近くを流れる小川にミニトマト達が「ぽちゃん」と、飛び込む涼しそうな音が聞こえてきます。うらやましいトマトさんですが、体が重くて動くことができません。
でも、それを周りの虫や小動物たちに伝える事ができず、とうとう涙を流し始めます。そして…

最後には、もちろん、トマトさんも小川に飛び込む事ができるのですが、そこに至るまでの心の動きや、周りにいる様々な生き物の優しさ、楽しさや気持ちよさを共有する心地良さは、子ども達の人間関係にも反映して、とても心が温まります。
また、いかにも暑苦しそうなトマトさんが、水に飛び込んだ時の様子と、更に水浴びの後に、岸に上がって休む最後のページが、本当に気持ちよさそうで、私の大好きなページです。
「かぜが さらさらと ふいて、みんなは すっかり すずしくなった。」
読み聞かせをしている私のところまで、心地よい風がふいてきてくれて、読み終わると、いつも清涼感で包まれるような気持ちになります。

今年も暑い夏になりそうです。暑い夏に読み終わった一瞬、涼しさを感じられるこの一冊を手に取ってみてはいかがでしょう。

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絵本「せんたく かあちゃん」

「せんたく かあちゃん」
さとう わきこ さく・え

楽天ブックス: せんたくかあちゃん - さとうわきこ - 9784834008975 : 本

保育士をしていた頃、梅雨の晴れ間の蒸し暑い日に「洗濯遊び」なるものを、よく楽しみました。
今の時代、洗濯から乾燥まで洗濯機がしてくれるのに、洗濯遊びをすると、子ども達はどこで見たのか、両手を使ってゴシゴシと上手に洗ってくれるんですよね。

世の中がどんどん便利になって、手を使う様々な作業が減ってしまっても、洗濯をするシャボンの香り、お皿を洗うカチャカチャという音、トントンと食材を包丁で切る音と、だんだんご飯が出来上がってくる美味しいにおい等、子どもが五感を働かせて成長していく生活は、無くなってほしくないなぁと思ってしまう私です。
でもまあ、世の中、本当に便利なものがたくさんあって、感動もするんですけどね…

せんたくかあちゃんは、半端なく洗濯が大好き。毎日、うちじゅうの洗濯物を洗濯板でゴシゴシ洗っています。洗濯物だけではなく、うちじゅうの物を洗ってしまうので、かあちゃんが洗濯を始めるとみんな逃げていくのですが、結局、かあちゃんの迫力に負けてつかまり、洗われてしまいます。


すごい量の洗濯物を、かあちゃんは庭の木や向かいの森にせんたく紐をはって、干すのですが、そのページが圧巻😝です。
見開き2ページにドドーンと、洗濯物の絵が描かれていて「えっ、時計も?」
「えっ、ウインナーも洗っちゃったのー!」
と、ありとあらゆる物が洗って干されているので、このページを見るのはとても楽しいです。

その後、干されているおへそを狙ってかみなりさまが、空から降りてくるのですが、かみなりさまもかあちゃんに捕まって…どうなっちゃうかな。

とにかく、楽しく痛快で、文句なく面白いので、是非手に取って読み聞かせてほしい絵本です。
そして、暑い夏に、水遊びしながら、洗濯など手洗いしてみたらいかがでしょうか。子ども達は大喜びで洗濯物や泡遊びを楽しんでくれるはずです。


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