「はけたよ はけたよ」
偕成社
かんざわ としこ ぶん
にしまき かやこ え
「たつくんはね、ひとりで パンツがはけないんだよ。」という、話し言葉のように始まるこの絵本が、私の歳の離れた弟は大好きでした。夜、寝る前に 忙しい母の代わりに何回も読み聞かせたのを覚えています。
たつくんがパンツをはこうと、片足を上げて「どでん!」もう一度起き上がってまた「どでん!」
というところでケタケタとよく笑っていました。
我が家の子ども達も、この絵本が大好きで、「わんわん にゃーお ちゅうちゅう んもうー
ひひん」と、動物の泣き声を真似したり、たつくんと一緒に、どでん!と、ひっくり返ったりして楽しんだ思い出があります。
パンツが上手くはけなくて、たつくんがはかずに外へ飛び出すと、「しっぽのないおしり。つるつるのおしり。あはははは。」としっぽのある動物たちに笑われるます。
おしりを出したままのたつくんは、結局、泥だらけになってしまってお家へ帰って来て、着替えた時に、思いがけずパンツがはけてしまい、更にお母さんが縫ってくれた素敵なズボンもはけちゃうの!
嬉しい嬉しいたつくんは、動物たちに見せに行き、みんなにうらやましがられ、「ぼく、ひとりで
はいたんだよ」って、得意げに伝えるんです。
子どもも、2歳くらいになると、個人差はありますが一人でなんでもしたがる時期があります。パパやママに甘えたい時、一人で頑張りたい時、子どもの気まぐれな自我の芽生えに振り回されながら、私も3人の子を育ててきました。忙しい毎日の中で、子どもの気まぐれにいつもいつも余裕をもてたわけではありません。自分がしてしまった方が早くて助かる時もあるしね。
寝る前に子どもにこの絵本を読んでいると、明るい配色の柔らかいタッチの絵と、可愛い動物たちとのやりとりや、できなかったことができた時のたつくんの笑顔に癒され、幸せな気持ちになれたことを思い出します。そして更にその昔、母に読んでもらった枕元のぬくもりを思い出すのです。母の読み方も…。それは、心の中の宝物です。
絵本て、やっぱり子どもだけのものではないですよね。
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